西野亮廣さんの映画「えんとつ町のプペル」のヒット戦略についての講演会を聴いてきました

12月17日は横浜市の港北公会堂で開催された西野亮廣さんの講演会に参加し、「革命のファンファーレ」にサインもいただきました。

目次

急遽、講演テーマが映画「えんとつ町のプペル」メガヒット戦略の話に変更

本来は「革命のファンファーレ」


https://www.amazon.co.jp/dp/B075CHHZDY/luckyhappy25-22

についての講演会だったのですが、参加者の9割以上がすでに読んでいるとのことから、西野さんの絵本「えんとつ町のプペル」の再来年のメガヒットに向けての戦略についてのお話に変更になりました。

「えんとつ町のプペル」
https://www.amazon.co.jp/dp/4344030168/luckyhappy25-22

映画「えんとつ町のプペルで、ディズニーを倒すには

西野さんはこの「えんとつ町のプペル」の2019年の映画化を通じて、ディズニーを超えて、ディズニーを倒すという目標を達成したいと考えています。2019年の夏か秋に「えんとつ町のプペル」の映画公開を計画していて、同時期に公開されるであろうディズニー映画として、トイ・ストーリーかアナと雪の女王 Ⅱを予想しているそうです。

西野さんが考えるディズニーの弱点は、
1)著作権
2)ディズニー作品が生活動線にないこと

もともと購入型クラウドファンディングを募ってつくられたのが、「えんとつ町のプペル」。
クラウドファンディングで5600万円集まったものの、購入した人すべてに「えんとつ町のプペル」の絵本を送るというリターンが設定されているため、5600万円すべてを絵本の製作にまわせるわけではない。実際には5800万円の支出なので、200万円の赤字。それでも 通常であれば、著者の西野さん、幻冬社の広報、吉本興業しか関わらないところに、5600人の支援者を巻き込めたことが大きいそうです。

ディズニーの弱点   1. 著作権

「えんとつ町のプペル」では著作権をフリーにしている。

「えんとつ町のプペル」列車が滋賀県で走ることになったことを、西野さんは決定後に知ったそうです。おそらく滋賀県でこの列車の企画書が出された時には企画書とともに「えんとつ町のプペル」の絵本も一緒に出されているはずです。著作権をフリーにしたことで、クラウドファンディング参加者が絵本の作り手として動くことが可能になったといえる例にあたります。

これに対し、著作権のあるディズニー作品では、「えんとつ町のプペル」のような5600人の支援者がいないので、ずっとディズニー作品のことを宣伝し続けなければならないのです。

えんとつ町のプベルの楽曲は、余った広告費で作成した

著作権の関係で、えんとつ町のプベルで工夫していることはもう1点あります。
それは余った広告費の使い道。

えんとつ町のプベルの広告費、その使い道を考えたとき、5年後も10年後も残るものがいいと考えて、楽曲にしたとのこと。
この著作権もフリーにしたので、YouTubeにあげたり、コンサートや発表会で使うことができます。

ディズニーの弱点   2.ディズニー作品が生活動線にない

ディズニーの弱点の二つ目は、ディズニー作品が生活動線にないこと 。
つまり、ディズニーランドは夢の国なので、そこに行かなければめぐり逢えません。

ということは、西野作品に人々が毎日ふれられる環境をつくれば、ディズニー作品に勝てることになります。

生きていくのに毎日必須のものは、空気や水だが、これらは多すぎて管理しきれません。
ではお金だったらどうなのか。
現在、クラウド・ファンディングやオンラインサロンは、信用をお金に両替する手段になっています。
日本の紙幣は国や日銀か管理し、お札には福沢諭吉らのキャラクター(⁉︎)が載っていることもあり、仮想通貨ならなじむのではないか。そこで西野さんは、レターポットを構想中です。

レターポットは、どんな層の人たちのためのものか?

「認知」を縦軸、「信用」を横軸にして全体を4分割した表を作った時、好感度が重要視されるテレビタレントは表の左上(認知度高・信用度低)に位置付けられます。番組でまずいものを食べても、ギャラの出所が番組のスポンサーである以上、テレビタレントは「まずい」ということはできないのです。
本当のことをズバズバ言う西野さんや堀江貴文さんは、表の右上(認知度高・信用度高)に位置付けられる。またCDを買ってくれるふぁんがいるゲスの極み乙女も表の右上に分類される。
西野さんのお父様は、一般人なので認知度は低いが、話す内容の信用度が高いので、表の右下(認知度低・信用度高)に位置付けられます。

レターポットは、西野さんのお父様のように表の右下の人を勝たせるためにあると言えます。

プレゼントの本質は、そのプレゼントを選ぶまでにかける時間に価値があります。
そこで相手に送るお金に対して時間がかかっていることを可視化する方法として、レターポットが考えられる。
株式会社レターポットが運営をおこない、1文字10円で買う。
500文字書いた人が、ほかの人に300字でほかの人にメッセージをおくる。受け取った人は、300文字で3000円分の価値を受け取ることができるが、いちいちその場で現金に交換せず、次に使用するまで3000円の価値を保有している状態。レターポットのやりとりで、現金を現実に交換するという手間を省き、保有分の価値を移転したり、取得することができるというメリットがあります。

人との差異を生み出して、天才になるには?

何かやろうとするとき、それがほかの人とは違うという差異を作ることが大事。イチローと素人には明らかに差異がある。プロの仕事とは、差異をいかにつくるかということ。
吉本興業の先輩になる紳助・竜助さんの漫才で「飛行機はなぜ飛ぶか」というものがあり、竜助さんがプロペラで鉄の塊が飛ぶというと、そうではないと紳助さんはいう。「飛行機は何百人の人も載せていて、何万円も払って乗客が乗っている。滑走路を走り出して、このままいくと乗客もろとも海に落ちてしまう。なので、飛行機は飛ぶしかない。」
同じ発想で考えると、鳥は羽をはやさないと飛べないから羽をはやして飛ぶ。
陸地で生活するには、手足が必要だから人間には手足ができた、という感じ。

自分に極端な環境を与えるのが大事。
ほかの人と同じような環境の中から生まれるアイデア・哲学・運動神経には極端な差異を見出すことはできず、天才にはならない。
天才は、天才にならざるを得ない環境にあったから、後天的に天才になっている。テレビに出て、テレビ局から支払われるお金でやっている間は、天才にはならない。

天才になるためには、本業でマネタイズしないこと。矢沢永吉さんは、CDランキングの上位の常連というわけではないが、矢沢永吉さんのライブの時のバンドは世界で屈指の超一流バンド。矢沢永吉さんのライブでは、みんなが矢沢タオルを持っていて、ライブ中に全員上にタオルを投げるタイミングがあるそうです。
矢沢永吉さんのライブに参加するには矢沢タオルが必要なので、ライブ参加者全員が買う。矢沢永吉さんのマネタイズは、CDベースではなく、矢沢タオル。なので、お金を出すスポンサーに気がねせずに音楽ができるので、トップクラスのロックンローラーであり続けることができるのです。

西野さんご自身の場合は?

西野さんの場合は、御自身のオンラインサロンでマネタイズしているので、テレビの番組について交渉できるし、本の印税にも拘らないことができているとのこと。
人と差異を生み出して天才になるには、極端な環境や制約を自分に与えること!

この日のサイン会の整理券配布の時に、西野さんへの差し入れは一切なしということが連絡事項として伝えられていましたが、それに関連して西野さんご自身からもこの点につき、お話がありました。

西野さんは阪神淡路大震災の被災者だったこともあり、救援物資がくるところでボランティアをやっていたとのこと。大量のものが送られてきて、必要なものかどうか分別するためにもとても時間がかかります。またいらないものを処分するのも、被災地の費用支出になります。大量の千羽鶴や古着は、場所を塞ぐため、ほかに必要なものを探し出すまでの時間をとられてしまうのです。この経験があるため、19歳でデビューしてから今に至るまで西野さんが差し入れをお断りされていることにつながっているそうです。必要ないものをもらったら、結局捨てることになるから、初めから要らないということだそうです。

映画「えんとつ町のプペル」の宣伝会議について

今回の講演会のメインテーマとなった
映画「えんとつ町のプペル」の宣伝会議が多くの都道府県ごとにすでに立ち上がっています。

Facebookグループ
えんとつ町のプペル【神奈川】
https://m.facebook.com/groups/523984927958405/
えんとつ町のプペル【東京】
https://m.facebook.com/groups/519680038414349/
ほかの都道府県についても、グループが立ち上がったきていますので、Facebookで検索の際、えんとつ町のプペルのあとの【】に北海道など、ご自分の所属したい地域を入れてみてください。

人との差別化ということでセルフブランディングの大切さを言われることが多いですが、今回西野さんからは、人と差異をつくり、天才になるにはという形でお話があり、ハッとしました。
なんとなくではいけないんだな。なんとなく人と同じことをやっていたら何も変わらないんだなということに気づくことができました。

今回はこじんまりした会場といいこともあって、ステージから3列目でお話を聴けたうえ、「革命ファンファーレ」に西野さんのサインもいただけました。
12月の初めにも西野さんやホームレス小谷さん出演のイベントに参加していて、写真はその時に小谷さんから手売りしてもらった小冊子です。
この日も講演会終了後、天才万博のチケット販売をなさっていました。今回はチケットの実物を忘れてきたので、小谷さんのおでこに「チケット」と書いて、小谷さんとのツーショット写真が入場券になるそうです。

西野さんの講演会でのお話は先月の早稲田に続き、リアルで伺うのは2回目でしたが、やはり毎回気づかされることがあります。
また機会を見つけて、会場に足を運んでお話を伺えたらなと思います。