ゆうこすさんとSHOWROOM社長前田裕二さんの、ライブコマースをテーマにしたイベントに参加しました。

六本木アカデミーヒルズで開催されたNewsPicksアカデミアの「ライブコマースを制するのは誰だ」というイベントに参加してきました。

ゲストはタレントで、SNSアドバイザー、インフルエンサー、You Tuberとしても活躍中のゆうこすさんと、ライブ動画ストリーミングプラットフォームを運営するSHOWROOM株式会社の代表取締役社長 前田裕二さんでした。

目次

ライブコマースとは?

ここでそもそもライブコマースって何?という方もいらっしゃる(私自身が限りなくそれに近い感じでしたので)と思うので、少し説明を加えます。
ライブコマースとは、ECにライブ配信の動画を掛け合わせたもので、ライブ動画を見ながら商品を購入できるような通販の形です。イメージとしてはテレビショッピングのインタラクティブ版。視聴者はリアルタイムで出品者・販売者に対して質問やコメントをしながらショッピングができます。ライブ(生放送)の臨場感と双方向のインタラクティブなコミュニケーションをしながら買えること、海外では中国などですでに大きな市場が確立されていることもあって、ハイブリッドなEコマースの形態として日本でも注目されてきている分野であるライブコマースへのアプローチとしては、以下の3つがあるそうです。

1.タレント・インフルエンサーなど、演者側の目線

2.プラットフォーム側の目線

3.メーカー側・クライアント側の目線

演者側の目線からのライブコマース

1.は、今回のゲストのゆうこすさんがまさに演者として前田裕二さんの会社のSHOWROOMでライブ配信を行っていて、そこでコスメなどの商品を売っているそうです。ゆうこすさんは、みんなに好かれることを目指すのではなく、自分の発信する情報を求めてくる人にフォーカスするようにしているとのこと。SHOWROOMでは、配信を見ている側もアバターとして、画面に出ます。そのため、誰が今リアルに見ているか、配信者も確認することが可能なため、リアルでライブ配信を見てくれている人にもなるべく声を個別にかけることをゆうこすさんは心がけているそうです。まさにインタラクティブなコミュニケーションがSHOWROOMでのライブ配信において発生しているということですね。

SHOWROOMで配信を始めることになった当時のゆうこすさんのことを、前田さんはこう振り返りました。ゆうこすさんは、いい意味で「圧」がある人。つまり、モチベーションが高く、アグレッシブで自分の人生に対して前向きなので、きっと売れる人だと。まさにその通りになったそうです。

ゆうこすさんも、SHOWROOMの配信やSNSでの発信を通じて、自分個人で闘うという意識で仕事に向かい合うようになったそうです。

プラットフォーム側の目線からのライブコマース

ライブコマースとテレビショッピングの違いとして、デバイスの違いがあげられます。つけっぱなしのテレビにたまたま流れてきた商品の情報で買っているのがテレビショッピングですが、その顧客をそのままライブコマースに連れてくるのには手間も時間もかかります。すでにモバイルを持っている人達を対象したほうがライブコマースの市場を形成しやすいと考えられます。

中国では、4億人の人が生配信をみて、コメントしたり、ギフト(注:演者の人に贈り物をできるシステムが構築されていて、それを通じて贈ること)しているそうです。ここにEコマースをのせたことで、ライブコマースが爆発的にヒットしているとのこと。

中国でのライブコマースの大ヒットをうけて、日本でもやろうという流れになってきているものの、中国とは異なり、日本ではモバイルの動画をみて、そこにコメントするといった習慣がないため、日本にはライブコマースがすぐに定着できるだけのベースがないのが実情だそうです。

前田裕二さんのSHOWROOMでは、来年本格的にライブコマースのローンチが計画されているそうですが、すでにそのためのテストをSHOWROOMですでに行なわれているそうです。

ライブコマースだからこその特徴や強み

ライブコマースで扱える商材の代表例としては、食品・コスメ・アパレル。

ここでだからこそ買えるという限定感・希少性のあることが大事。

インタラクションも大事。たとえどこでも買えるものでも、ゆうこすさんの配信を通じて買うと、「ありがとう」とゆうこすさんに言ってもらえるから買うのです。

演者がその商品を自分も欲しいと配信で言う時に、嘘っぽいことを言うとライブコマースでは売れないそうです。演者が本心からその商品をいいと相手に伝えられて、初めて配信を通じてモノが売れます。売れるかどうかは、配信者自身が心からいいと思って説明できているかどうかにかかってきます。

ライブ・ストリーミングをベースにして、配信者と受信者がいい関係を築ける(エンゲージメント)。そこでのマネタイズの方法として、ギフトやライブコマースが位置付けられます。

ゆうこすさんは、ほかの人がやっていることで自分の琴線にふれたものを自分なりにかみ砕いてとりいれているとのこと。

キングコングの西野亮廣さんが自著の内容を無料公開して話題になり、そのことで売り上げ部数を増やしたのをみて、ゆうこすさんは生配信時に自分の本の一部を朗読してみることにしたそうです。それで面白いと思ったファンは、本を買ってくれることにつながっていきます。

ライブコマースで集客できると、リアルの現場でも集客できるようになる

お笑い芸人の方で、4年前にリアルのライブにお客さんが数人しかいなかったのに、この4年間、SHOWROOMで配信し続けていたら、リアルのライブにも500人もの人が来てくれるようになったそうです。ネット上での1対1の絆を大切に、丁寧に作っていくと、ネットを離れて、オフラインの現場にも人は足を運ぶようになるそうです。

SHOWROOMでアーカイブを作っていないのは、その配信をリアルタイムで見てもらえるよう、受信者に配信を視聴することの優先順位をあげてもらうための戦略の一つだそうです。

まとめ

前田裕二さんのお話を聴く機会は、この5ヶ月間何度かありましたが、ゆうこすさんのお話を聴くのは今回が初めて。HKT48に在籍されていたこともあるゆうこすさん。ご自身配信や発信を視聴してくれる多くのファンに愛されていらっしゃる方だけあって、声も仕草も可愛らしいチャーミングな方でした。普段ゆうこすさんが出演するイベントは中高生女子の参加者が多いそうで、ビジネスパーソンや大学生が多い今回のイベント会場の雰囲気は普段とは別世界に感じたそうです。ライブ配信にも慣れている方だけあって、アウェイな状況のなかでもトーク自体は、楽しく進められているのはさすがでした。

全体の会が終わったあとに個別に質問したり、お話しできる時間もあったのが良かったです。今年の8月以降、前田さんが来られるイベントに何度か参加していますが、直接お話しできたのは、8月の時と今回のみ。


今回のテーマには直接関係なかったのですが、前田さんといえばショートスリーパーでいらっしゃるので、その点についても伺ってみました。
「西野さん(キングコングの西野亮廣さん)も僕も体が丈夫なんで、(睡眠が短くても)大丈夫なんですよ」のことでした。
睡眠時間が削れない私には、とても羨ましいお話しでした 😲 😀 😃 他にも直接伺えてとても感激したこともありました。前田さん、本当にありがとうございました 😊

私はなるべくリアル店舗で買うようにしていることもあり、Amazonの利用頻度も周りの人に比べて低いのです。なので、ライブコマースももちろん利用したことはありません。
今回のお話を聴いて、ライブコマースをすぐに利用するのは難しくても、ライブコマースがどのようなものなのかを垣間見ることができたのは収穫でした。
実際にお話を会場で聴けるのはやはり有益ですし、リアルタイムで聴けるのがベストなので、今後も興味のあるイベントには、できる限り足を運びたいと思います。