大ヒットドラマ「逃げ恥」を題材とした労働対価や家事育児の分担について、少子化ジャーナリスト白河桃子さんとイクメン・エコノミスト是枝俊悟さんのお話をうかがってきました

10月20日金曜日は、少し早起きをして、渋谷のBook Lab Tokyoで、少子化ジャーナリスト白河桃子さんとイクメン・エコノミスト是枝俊悟さんによる人気ドラマ「逃げ恥」を題材とした、家事育児の対価と平等な家事育児の分担、パートナーとの関係の築き方に関する提案についてのお話をうかがってきました。

私はドラマ『逃げ恥』は見ていなかったのですが、視聴率が落ち気味のドラマの中での高視聴率ドラマということで、おおよそのストーリーはチェックしていました。

『逃げ恥』の主人公である平匡とみくりのドラマ上の設定をもとにしつつ、機会費用法(この場合だと、家事をしていた時間だけ、もし外で働いていたら得られたであろう収入)で算出したうえで、いくつかのケースを想定したうえで、考察を加えています。

 


結論としては、夫婦二人ともの収入を確保することが、トータルでみて一番高収入になります。
お子さんが生まれた時に育休を2ヶ月取得したイクメン・エコノミストの是枝 俊悟 さんは、育休を取得する前と実際に取った後で、考え方が変わったそうです。
育休の間は、少しゆっくりできるかと思っていたが、実際にはそんな時間は全然なかったそうです。
試算の結果、共働きの場合は、夫は子供の送り迎えと子どもの寝かしつけを毎日やって、ようやく妻と平等に家事・育児を分担したことになるのではないか、とのことです。

白河桃子さんは、山田昌弘さんと出された本がきっかけで、「婚活」という言葉の産みの親と言われるようになりました。


「婚活」という言葉は、婚活ブームを引き起こし、婚活ビジネスも盛んになり、選ぶ対象が増えたようにも見える。
「婚活」という言葉によって、「受け身で待っていては何も起こらず、結婚できない。自分から行動しないと結婚できないということ」は世の中に伝わったものの、昭和までの「男性が働き、女性が家事育児をするという役割分業結婚からの離脱」ということはきちんと伝わらなかったそうです。


婚活で完成品をもらおうとするのは間違い。
婚活のレベルでは、相手の「選択」まではできる。「選択」の先を考えていくことが大切。相手(パートナーになる人)を選んだ後、好きな人とどういう関係をつくっていくのか。
結婚は自分の運用力・決断力次第。自分でつくっていくもの。相手を選んだ時点では、相手は完成品ではない。結婚は共同経営のようなもの。
自分がやっていることで価値のあることを可視化して、そのうえで二人で話し合い、パートナーシップを築くのがよい。


私自身にとっては、「結婚は自分の運用力・決断力で、つくっていくもの」という西村 創一朗 さんのお話が一番心に響きました。
平匡とみくりをモデルにして、幾つかの試算がされているのをあらためて検討すると、
平匡とみくりが契約結婚したことで、通常は金銭換算されていなかったものが実際はこのくらいの金額なんだということが見えてきたり、みくりが平匡に提案していって一つ一つ結婚へのハードルを越えているところなどをみても、「逃げ恥」のストーリーは実によくできているな、と感心しました。
詳しい試算などは
「逃げ恥」にみる結婚の経済学
goo.gl/qQY3WH

を読んでみてください!
10月26日発売です。

 

注:なんとこの本の発売日の10月26日に、ドラマ「逃げ恥」が「東京ドラマアウォード2017」作品賞「連続ドラマ部門」のグランプリに選ばれたそうです!!
goo.gl/zT8MSE