福岡の高島宗一郎市長は、自分の責任でやるべきことを迅速にやる人。準備を怠らずにチャンスをしっかりつかむ人。高島宗一郎さんと小松成美さんのトークに参加しました。
10月25日水曜日の夜は、NewsPicksアカデミア主催の、小松成美さんと福岡市長高島宗一郎さんのトークイベントに参加してきました。
http://peatix.com/event/302561/view
昨年の11月の博多駅前の道路陥没の時、高島市長が迅速な対応の指示を出して、関係者が動いたことで、1週間で復旧することができた話から始まりました。ニュースでも大きく取り上げられていましたし、ご記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。
2016年4月の熊本地震があったとき、熊本から一番近い政令指定都市が福岡市だったこともあり、高島宗一郎市長は、早速援助の体制をとられました。
その時の高島市長のブログからも、その時の様子がうかがえます。https://lineblog.me/takashima/archives/58398403.html
以下高島市長のブログからの引用です。
「まず、福岡市では昨夜から被害の大きい益城町役場と熊本県庁にそれぞれ消防の指揮支援隊を派遣して災害救助全般の指揮についてサポートをしています。
また現在、福岡市早良消防署の指揮隊が全体の指揮をとって、熊本の消防学校に集結した九州各県の消防部隊を4つに分けて益城町を中心にローラー作戦を展開しています。
また福岡市の消防ヘリ「ゆりかもめ」は現在益城町の上空から映像を撮影して地上部隊に情報を送りながら連携しています。
また要請に基づき益城町へ福岡市の水道専門職員ら12名と給水車3台が赤色灯先導車と共に向かっています。
支援物資については現在ニーズと現地の受け入れ態勢を調査中ですが、福岡市でも多くの食料や毛布、おむつなどの備蓄品をスタンバイさせています。」
この時は、リアルタイムで救援物資として何が足りないのかをスマートフォンで見ることができるようになっていて、足りなければすぐに送ることのできる体制だったそうです。
リーダーの仕事は決断しかない。判断の責任は自分がとる。市長の場合は、選挙で有権者から判断が下されるので、選挙で出た結果に対して責任をとることになる。なので、この時は援助を最優先にして、すぐに動くことを決断されたそうです。
私はたまたま、昨年の10月下旬に九州旅行に出かけていました。ちょうど1年ほど前に熊本城を見に行き、その翌日に福岡にいる大学の先輩(元九州朝日放送のアナウンサー。偶然ですが、高島市長も九州朝日放送のアナウンサーでいらっしゃいました。のちほど高島市長と大学の先輩にお伺いしたところ、高島市長の入社の直前に大学の先輩が退社されていて、ちょうど入れ違いだったそうですが)と大学同期とお茶と食事をしたのですが、食事する場所に移動する時に、あの陥没した場所を通ったのです。陥没は私が通った2週間ほど後でした。なので、今回のお話はリアル感満載で聴くことができました。
3.11 東日本大震災の時には、まだ福岡市長に就任されてからまもないこともあって、全体を掌握しきれておらず、すぐに動けなかったということが、高島市長の中に残っていたそうです。それもあって、熊本地震の時には、すぐに動くことができたそうです。
高島市長は、市長になる前からも、様々なチャンスを実際に手に入れてきた方でもいらっしゃいます。やりたいことがあれば、チャンスを見極める集中力を養っておくこと、準備をしておきチャンスが来たときに乗ること、やりたいことを口に出しておくことが必要とのこと。
中東の勉強を高校3年間・大学4年間してこられていた。なので、中東関係には人の何倍何十倍の思い入れをお持ちでした。それが実を結んで、アラファト議長にお会いできたり、アナウンサーになることにつながったそうです。
パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長が来日したとき、こんなに中東のことをまなんできたのだからぜひアラファト議長にお会いしたいと思われたそうです。
アラファト議長が参加する会合のお手伝いをすることがかなったものの、リアルなアラファト議長の姿を見ることもなく、その会合が終わろうとしていた。諦めかけた時、高島さんの前をアラファト議長がお通りになり、無事お会いできたそうです。
中東のことを伝えたくて、キャスターや現地特派員を目指されたそうです。中東情勢を伝えたいと入社の面接の時にも話して、九州朝日放送にアナウンサーとして入社されました。アナウンサーになられてから、イランイラクでの紛争が起こった際、なんとまたまメインキャスターがリフレッシュ休暇中で、高島さんがそのニュースを伝えることができたそうです。
また高島さんは熱烈はプロレスファンでもいらっしゃり、アナウンサーとしてプロレス実況をしたいというのもおありだったそうです。
プロレスでテレビ朝日しか放映できないものがあるそうです。
ある年の夏、テレビ朝日のプロレス実況担当のアナウンサーが、実況当日、甲子園の高校野球の試合が前日の雨で順延となって野球のほうにいかないといけなくなった。高島さんがプロレスが好きで実況がしたいということは知られていたので、その日の実況を頼まれた高島さんは引き受けたそうです。それまでプロレス実況の時にそなえて、いろんな情報をまとめたノートが何冊もあり、そのノートすべてをその時に持っていたそうです。そのノートが手元にあったのも高島さんの強運ぶりを物語っていますね。それで無事に実況することができたのだそうです。チャンスが実際にきたことも、そのチャンスにその時に乗れるだけの準備もされてきていたこと、このチャンスに乗ると決断されたこと、どれをとっても本当にすごいなと思いました。
テレビ局勤務の時、朝の番組担当の際、視聴率を上げるための研究をいろいろして、実際にやってみているうちに、在京キー局の朝の番組と闘えるだけの視聴率につなげていったとのこと。
テレビ局勤務の時は人がいないので、自分でいろいろとやる習慣がついたそうです。その時の経験もあって、今でも自分でいろいろ考えてアイデアを出されているそうです。
たとえば、福岡とボルドー市は姉妹都市ということに着目し、ボルドー市に働きかけて、美味しいボルドーワインが飲めるところを福岡市につくったそうです。
オ・ボルドー・フクオカ(Au Bord d’Eau FUKOKA)
http://vins-bordeauxfukuoka.com/
このウエブサイト冒頭の説明を引用させていただくと、
「オ・ボルドー・フクオカ(Au Bord d’Eau FUKOKA)は、フランス・ボルドーワイン委員会公認(C.I.V.B))のボルドーワインバーとして、ニューヨーク・上海に続いて、2016年5月世界3都市目として福岡市に日本初出店。その後、シンガポール、ソウル(1月)もオープン。ボルドー市姉妹都市としては福岡が世界初。2017年、35周年を迎えるボルドー・福岡市の姉妹都市事業を実現する一つの拠点、いわばボルドーの大使館的役割を担う拠点(ボルドー市ステファンドロー副市長2015年11月調印式時コメントより)として設立。」
とのことです。今年が35周年なんですね。
次に福岡に行った際には、こちらのお店にも寄ってみたいものです。
福岡市長選に出ないか、市議団から話が出てきた時、国政か市政か進むべき方向について考えられたそうです。
立法よりも行政をやりたい。行政のほうが自分で直接動かすことができる。
当時は高知県は橋本大二郎知事、宮崎県は東国原英夫知事が活躍されていたこともあり、国よりも福岡でやることが今の自分のやることだと思われたとのこと。福岡の人気キャスターでいらっしゃった分、そういった想いにつながった面もおありなのかもしれません。
政治家になろうと決めてから、選挙に強くなって選挙で勝たないと改革はできないということも感じられたそうです。
とはいえ、そんな高島市長であっても、福岡の人気キャスターをやめて選挙に出ることになったとき、それまでまわりにいた多くの人が、いなくなってしまったそうです。
自分が強い時、自分に力がある時には人はそばにいる。どん底を経験したからこそ、順調でない時にこそそばにいてくれる人を大切にしようと思ったそうです。それを経験しているので、自分の時間は自分がどんな状況にあっても自分のことを信じてくれる人・大切にしてくれる人に対して優先的に使うようになったそうです。
高島市長は全力で市政のありとあらゆることをやっているので、若い人を育てる余裕はないとのこと。
でも、自分の姿をみて若い人には学んでほしいと思っているそうです。
高島市長は、誰かのために力を尽くすことに喜びを感じているそうです。
福岡は高島市長になって、観光客も増え、国際会議も増え、税収も増えました。
オフィススペースの増大やホテル客室数の増加も計画中とのことです。オフィスもワンフロアに広いスペースをとることができないために、福岡にオフィスを持とうとした企業を2件、断らざるを得なかったそうです。特にホテルの件は、私も実際に困ったことがあるので素直に嬉しいです。
福岡は空港から中心都市の博多までの距離も短くて便利。まだまだ今後の成長が見込まれる都市ですが、その都市の首長がエネルギッシュな方で、本当に心強いですね。
今回お話を直接うかがえたことをきっかけに、福岡市政にも、より注目していこうと思いました。
高島市長のお話で印象的だったのは、チャンスは準備している人のところに来る。チャンスの見極めと来た時にのれるように準備しておく。やりたいことを口に出していて、準備しているといつか叶う、というところです。私も高島市長を見習い、やりたいことに関してしっかり準備をしつつ、チャンスを見極めてチャンスがきたらためらわずに乗れるようになろうと気持ちを新たにしました。
高島市長のキャラクターもあるとは思いますが、高島市長がお話しされたいことをお話できるようにうまくリードされている小松成美さんのインタビュースキルも流石だなと思って拝見していました。高島宗一郎福岡市長のお話を小松成美さんの進行でうかがえたのはとてもラッキーで、参加できてよかったと思います。
この日は私にとってはNewsPicksアカデミアの初イベントでもあったのですが、初イベントがこれだけ充実した内容だったこともあって、今後もいろいろなイベントに参加してみたいと感じました。