前田裕二さん講演会 自分が好きでたまらないことを探し、当事者意識をもって取り組むことが大事。

2月10日に、お茶の水で開催された、SHOWROOM代表取締役社長 前田裕二さんの講演会に行ってきました。前田さんの独演会となる講演会への参加は、約3か月ぶりでした。

前回2017年11月15日の前田裕二さん講演会の模様はこちら。

 

その後、12月のはじめにNewsPickアカデミアの前田さんとゆうこすさんのイベントにも参加したので、前田さんにお会いしたのは約2か月ぶりでした。

12月4日の模様はこちら。

2月10日は、ご著書「人生の勝算」について少し触れた後、SHOWROOMについてのお話、そして事前および当日の質問に前田さんが答える形で進められました。

この講演会は前田さんが昨年出された
「人生の勝算」(幻冬舎NewsPicks Book)
https://www.amazon.co.jp/dp/B071GX8V8F/luckyhappy25-22
のサイン会つきの講演会でした。

目次

「人生の勝算」について

この本を書き始めたときは、プライベートの話は書かないつもりだったそうです。
ところが、幻冬舎の社長の見城徹さんや編集の箕輪厚介さんから「本は自分の内臓を読者に見せるくらいのつもりで書くもの」という旨のことを言われた影響もあり、幼い時に両親を亡くした話などを書くことになったそうです。こういった講演の時に話しても本に書かなかったことの理由のひとつに、前田さんは自分につらくあたった親族の方がこの本を手に取った時に悲しい思いをするといけないと思ったから、とおっしゃっていました。

SHOWROOMについて

SHOWROOMは、夢を叶えたい人とそれを応援する人が集まる、新時代の『双方向コミュニケーション』『仮想ライブ空間』です。
SHOWROOM
https://www.showroom-live.com/

SHOWROOMは、演者と視聴者のリアルタイムでのインタラクティブなコミュニケーションを重視しているため、アーカイブは用意しなかったそうです。

日本での動画配信アプリでの収益面でみると、ショールームが1位なんですね。

SHOWROOMの成長背景①トップコンテンツとの連動

場の価値を上げ、演者が登場したいと思う場にしているとのこと。

SHOWROOMの成長背景② 徹底的にヒットを科学

いいものを作って届ける。
オーディションで安室奈美恵や浜崎あゆみら、天才をみつけ、タイアップする。
このスライドの説明の時に、前田さんが「こういう細かい数字の分析もとても好きなので、実は自分は根暗なんじゃないかと思うことがある」とおっしゃっていました。根暗というよりは、自分がエネルギーを注ぎ込んでいることすべてに熱中して、楽しんでやることができている方なんだな、と思って聴いていました。

SHOWROOMの成長背景③  信頼と支え合いの連鎖

SHOWROOMでは、ただ単に演者が配信したものを視聴者が見聞きしているわけではありません。オーガナイザーという、演者にノウハウを教え込んだり、モチベーションマネジメントを行う存在がいます。演者にとってはリスナーだけでなく、マネジメントしてくれるオーガナイザーに支えられながら配信ができるので、とても心強いシステムになっています。

エンタメビジネスは、第三世代へ

これからはコピー可能なモノ・コンテンツにではなく、人は体験にお金を払うようになります。その人のコンテキストに共感できる場合に支援が広がっていきます。
「人生の勝算」に出てきたちづるさんがそうやって応援したくなる人の例。

動画マーケティングの3大目的

コンバージョン動画、エンゲージメント動画が、SHOWROOMの強みです。

人気と認知の違い

認知がある人は必ずしも人気のある人とは限らない。

人気タレントといっても、認知はされていても、その人のグッズを買ってくれる人が必ずしもついているとは限らない。
Twitterのフォロワー数が多い人も、認知されているが、人気とはまた別。

モノとヒト、どちらが大事かといえば、ヒトが大事

そこに着目して、ライブコマースが出てきている。
ライブコマースとは、ECにライブ配信の動画を掛け合わせたもので、ライブ動画を見ながら商品を購入できるような通販の形です。イメージとしてはテレビショッピングのインタラクティブ版。視聴者はリアルタイムで出品者・販売者に対して質問やコメントをしながらショッピングができます。

神宮球場だったか、球場の売り子さんで売り上げトップの人は、たくさんの人に売っているわけではないそうです。通常はお客さん一人あたりの滞在時間が15秒と言われているが、売り上げトップの売り子さんは一人のお客さんの滞在時間を通常の3倍以上の45秒から1分にしている。その時に長く会話したお客さんは、次回もその売り子さんから買ってくれるようになるんだそうです。

これからの時代の生き方

自分自身でパワーを持つ。自分自身が何をもって幸せを感じるのか、好きでたまらないことを探す。前田さんにとっては、西野亮廣さん・堀江貴文さん・ゆうこすさんはやりたいことをずっと話せる人たちとのことです。
自分が好きで、幸せだと思える時間を増やす。それに気づけることが大切。

感情のコントロール

前田さん自身、あまり怒ったりしないし、人を嫌いになることもほとんどないそうです。
基本的に愛情をもって、人に(動物にも)接するようにしているとのこと。

それでもむかつく人を見かけた時には、「その人の親がその人を抱いている姿を想像する。」その人のことを愛している人がいることを想像することで、自分の感情を落ち着かせるという方法をとるのだそうです。
ちなみに愛情をもって人だけではなく、動物にも接すると書いたのは、前田さんはよく段ボール箱に捨てられた動物に遭遇することがあり、見捨てることができず、実家で何匹も飼われているそうです。

前田さんは、基本的にその人のことが好きだと思ってコミュニケーションをとるようにされているとのこと。
また自分がむかついたり、怒りそうになった時には、そのことをメモして、自分自身で振り返るようにしているそうです。

時間の使い方・時間術

自分の可処分時間を増やす。
使える時間の質と量を増やす。

前田さんは、睡眠時間は1日3時間あれば健康に過ごせるそうですが、そのための工夫の一つがベッドのマットレス。どういうものがいいか、いくつも試してみて、「これに寝れば、睡眠が3時間でも体力的に大丈夫」というものにたどり着いたんだそうです。

移動の時間も無駄にせず、耳で何かをきくようにしているとのこと。

Work as life.
仕事を苦役とは思っておらず、休日はもうけていないそうです。

前田さんは、朝から夜まで自分がワクワクすることに時間を使っているそうです。秘書の方が5分の隙間すらないスケジュールを組んでいるんだとか。

毎日夜に会食が3件入るのが通常。それが年末年始だと毎日5件入っているという過密スケジュールなんだそうです。

ここまでフルに入った予定をこなして、一定のインプットをこなしていることから、前田さんは飛行機に乗っている時間は他の情報を遮断して、乗っている2時間の間を瞑想の時間にする時もあるとのことです。

テレビについて

タレントの熱量・努力・パッションをテレビが受け取れていない。
SHOWROOMも、こういった熱量あるタレントたちに活躍の場を提供していきたいと考えているそうです。

当事者意識をもって取り組む

堀江貴文さんが「挑戦をやめなければ失敗はない」と言っているように、ストップしなければ失敗は訪れない。

壁を乗り越えようとする強い思いが、市場性を生む。強い思いから生まれた市場性が本物。
自分の心をみつめて、自分が何をやりたいのかをみつける。
自分のやっていることに当事者意識を持つ。

前田さん自身、達成したいことが「日本初の世界一の事業をつくる」という高い目標なので、その分危機感を持ちながら取り組んでいる。
現実と目標の間に適切なギャップがあることが必要。

採用について

採用についての話になり、前田さんがグーグルの採用基準の話にふれられました。

1つ目は地頭。
2つ目はネットワーク力(職務関連スキル) 。
3つ目はリーダーシップ。
4つ目は『グーグルらしさ』。『グーグリネス』と呼ばれていて、いわばその人その人のグーグルらしさ。グーグルっぽさをあえて定義せず、その人らしくカスタマイズしたうえで、グーグルで力を発揮していくことが求められています。

グーグルのグーグルらしさ、グーグリネスにならい、SHOWROOMらしさとは、熱さ、優しさ、思いやりなどが当てはまるが、定義しすぎないようにしている。みんなが当事者意識を持ってやることが大切なので、自分なりのSHOWROOMらしさを持っていれば良いと考えているそうです。

信じて任せる

前田さんは「信じて任せる」ことにしている。
採用についても、現場の人たちが「この人と一緒に働きたい」と言っていたら、それを信じてまかせているのだそうです。

優しい人かどうかを面接ではみる

採用面接で前田さんが見ているのは、優しい人かどうか。優しい人であれば、その人の優しさや愛情がにじみ出ているものだからだそうです。

愛情をもって社員に接する

また前田さんは社員に対しても愛情を持って接しているとのこと。そうする中で、自分の期待・信頼を超えてくるのを見逃さないようにすることを意識しているそうです。

コアファンのつけ方

コアファンということについては、最初の10人をどれだけ大切にできるかにかかっているそうです。

中国のスマートフォンメーカー、シャオミは、最初の100人のお客さんを本当に大切にしています。ここまで来れたのは最初の100人のおかげだと、最初の100人のお客さんの映画も作っています。

マーケティングについては、ニッチなコミュニティで、1対1のやりとりを繰り返し、積み上げていくほうが、マーケティングとして売る目的が達成できます。
例えば本を売るにしても、本屋に本を置くよりもスナックに置く方が、売れるんだそうです。

コアファンをつけるには

1.熱量がメチャクチャある。(やる気がある)
2.自己客観視したセルフ・プロデュースができるか。
(自分のとるべき自分の見せ方をする。できなければ人にやってもらう)
3.ストーリーがあるか。

3.ストーリーがあるか。
ストーリーというのは、つい他の人に言いたくなるようなエピソードがあるかということ。

例えば「朝5時半の女」と言われているAKBの大西桃香さん。大西桃香は、AKB48メンバーのSHOWROOM個人配信が始まった直後の2016年10月半ばからほとんど毎日「朝5時半配信」を行なっています。桃香さんが頑張れるのには理由があります。

AKBのことを応援してくれなかったお父さんが2年前に亡くなった。お父さんが使っていたスマホを形見としてもらった。スマホのカメラロールには桃香さんやAKBの写真がいっぱいおさめられていた。実はお父さんが生前に応援してくれていたことを知った桃香さんは、「この業界で1番になろう」と朝5時半のSHOWROOMを継続しています。

ほかには、このストーリーを伝えるというコンセプトで毎日記事を配信しているのが東洋経済。東洋経済の記事はすべて「裏側に人を感じさせる文章」になっているそうです。

自己分析

前田さんが就活の時に自己分析をノート30冊分行ったという話は有名ですが、それはどのようにして行ったのですか、という質問がありました。
就職活動のときに、本屋で見た一番分厚い自己分析の本を買って、そこにのっている質問に答えていったそうです。

自分を知る方法

自分を知る方法としては、
1.       自己分析ノート・メモを作って、自分を知る訓練をする
2.       近しい3人くらいに話して、自分から見た自分と他者から見た自分との間の差分を知る。
3.       コーチングのうまい人に引き出してもらう。

こうすることで、自分のワクワクすることが何かがわかってくるそうです。

コーチングの話の延長からこんな話にもなりました。以前受けたコーチングにこういったものがあったそうです。体をスキャンしたうえで食道炎を患ったことがあることをあてられたそうです。
加えて前田さんのチャクラについてのお話もあったそうです。
人間には周波数があり、チャクラ(注:人間の身体にある主要な7つのエネルギーセンターで、第一から第七チャクラまである)という概念でとらえられる場合があります。
前田さんの場合は第七チャクラまで全開しているといわれたそうです。第七チャクラまで全開している人は、ほかの人に自分の運気を分け与えられる人で、いわば「生きたパワースポット」。まわりに運気の悪い人がいると、チャクラが閉じてしまうとのこと。第七チャクラまで開いている人は、利他的で、何かあっても守られていて、簡単に死んだりはしない。

前田さんの場合は、3回車に引かれたことがあるが、いずれも無傷だったそうです。3回誘拐されたことがあるが、それも無事帰ってこられたとのこと。社会的に必要な人は死なないことになっているというのは本当なんですね。

この時にコーチングしてもらった人には、小学校からの大阪にいた親友の手術の前に、親友を見てもらうことができたそうです。実は友人をみてもらうことは最初は断られたものの、友人がどんなに自分にとって大切な友人かを伝えて、友人の入院先でみてもらうことに。その友人が大阪にいるので断られるかと思いきや、そのコーチの方は翌日大阪に戻ることになっていた。友人が1週間後に手術をうけることになっていたが、無事それにも間に合ったそうです。
考えていることは引き寄せることができるということの一例としてあげられていました。

まとめ

この講演会のことをまとめる時間がとれないうちに、今月から就任したNewsPicksアカデミア  アンバサダーとして、2月16日に落合陽一さんのトークイベントに参加することになりました。この日のイベントについても、イベントレポートを書きました。

そのリンクはこちらです。
https://note.mu/npacademia/n/n7c80ebea3c9a

たまたま前田さんのお話をきいて1週間たたない間に落合さんのお話をきいたこともあり、お二人のお話が重なる部分がいくつかありました。落合さんのお話を聞いたときに一番印象に残ったのは、お二人とも「ワークアズライフ」というライフスタイルをとられていること、睡眠時間が3時間とれれば大丈夫という共通点があるほか、お二人とも優しくて、基本的に人を嫌いにならないようにしている。相手のことを理解し、許容するということが普通にできているということでした。

なかなかできることではないですが、そこを難なくクリアして自分のやるべきことにエネルギーを注力できる姿勢がさすがだなと思いました。だからこそ、お二人ともその道の第一人者でいらっしゃるんですね。

サイン会の時に久しぶりにお話ししたり、写真撮影をしていただいたほか、その日のイベントに来ていた秘書の方ともお話しさせていただくことができました。

次に前田さんの講演にお邪魔するのは、NewsPicksアカデミア の
3月27日のこのイベントになりそうです。
https://newspicks.com/academia/events/97

こちらも楽しみです。